きーちゅけの場合
とどろく雷鳴によって、疑いが確信に変わったのですけれど、それまでは、耳のそばで手をたたいたり、大声で歌ったり、口笛を吹いてみたり、いろいろと試しておりました
福々しい寝顔
もしかしたら、捨てられたショックによる一時的なものかもしれない
そんなことはないとわかってはいましたけれど、一応、医学的な判断も仰ごうと、病院へ連れていきました。がぁー、そこで行われた診察は、耳のそばで手を叩く、大声を出す、口笛を吹く。先生は歌こそ歌わなかったものの、私の素人診断と同じで、とても原始的なものでした。たしかに、それ以外の方法はないですよね~
飼い主としても、猫だまりの同居猫としても
耳が聞こえない猫がいることで、不便はあります。でも、それはわずかです
この頃は、こんなにも猫草が大きかったのね
うにゃー おにゃー うぎにゃー にゃごぉー
きーちゅけは爆鳴きします。自分の声が聞こえないので、自分がどれほどの大きさで鳴いているのかを把握することができません。そのため、ボリュームの調整ができないのです
ですから、自分の望みに対しては誠実(笑)です。徹底的に要求してきます。でも、望みがかなう、または、かなわないと知ったら、鳴き止みます。聞き分けはいい方です。一日中、鳴きっぱなしということはないので、大したことはありません。飼い主の困りごととしてはこの程度ですから、大したことではありません
ぼーちゅけの威嚇音に気づかず、飛びかかります
猫の威嚇音というのは「これ以上、近づくな。これ以上、近づいたら、ケンカになるぜ。ケガをしたくなければ、とっとと帰んな」という牽制音でもあります。でも、きーちゅけは聞こえませんから、牽制音を無視しして、ぼーちゅけに飛びかかります。そして、「やめてくれー」とギブアップの声を出しても、聞こえませんから、ぼーちゅけののど元を噛み続けてしまいます
同居猫たちからも「KY猫」として認識されていますけれど、年がら年中、飛びかかることはありませんし、遊び相手はぼーちゅけだけですので、大したことではありません。ぼーちゅけの困りごとでもあるのですけれど、自分からじゃれていくこともあるので、どっちもどっちで、大したことはありません
小さい頃からぽーちゅけが遊び相手
ごはんに出遅れます
カチカチとごはんの器が触れる音。カラカラとカリカリが器の中で転げる音。ザワザワと猫たちが動き出す音。これらの音を察知して、「あっ、誰かがごはんをもらっている」と、猫たちは飛んできます。でも、きーちゅけは聞こえませんから、ごはんのにおいが鼻先に届いてから、やってきます
おこたの中で爆睡してても、目が覚めるのですから、その臭覚は優れたものです。その優れた臭覚が聴覚を補ってくれます。それでも、出遅れますけど、きーちゅけには自分の器があって、その中にごはんを入れてくれるので、大したことはありません。そもそも猫だまりは、ごはんが出しっぱなしなので、いつでも好きな時に食べられるので、大したことではありません
猫じゃらしで遊べません
猫じゃらしを追うのは目ではなく、耳です。視界から消えた猫じゃらしがどこへ行ったのか。それを察知する手段が、猫じゃらしが床にこすれる音、空気を切る音なのです
この音が聞こえないきーちゅけは、目の前で猫じゃらしをシュッと動かしても、「消えたけど、それで?」と、猫じゃらしで遊ぶ仕組みがわからないようです。でも、猫じゃらしで遊べなくても、掃除機で遊べるので大したことはありません。大きなバキューム音が聞こえないきーちゅけにとって、あちこちに動く大きなノズルが、視界から消えない猫じゃらしとなるので、大したことではありません
いっとき、ベッドをさかさまに使うことが、猫だまりで流行しました
お化けがよく出ます
きーちゅけが窓の外を眺めているとき、「きーちゅけ」と呼んでも振り向きません。「きーちゃま」と猫なで声で誘っても知らん顔です。そこで、背後からポンと頭を触る。すると、こっちを向く、と思うでしょう。ところがどっこい、向きません。どこを見るのかといえば、天井です
天井を見上げて、キョロキョロして「何かが頭に落ちてきたのに、おかしいなぁ、気のせいかなぁ」という風に、また外を眺めます
また、ポン➡天井➡キョロキョロ➡窓の外
またまた、ポン➡天井➡キョロキョロ➡窓の外になると思いきや、3度目は違いました。目に見えない何かが、僕の頭を狙っているとばかりに、ベッドの下に逃げ込んだのです
「お化けの仕業!?」と思ったかは定かではありませんが、背後から近づいてくる足音、手が空を切る音、どれも聞こえないため、見えない何かに身の危険を感じ、一目散にベッドの下に避難したのです。かれこれ30分ほど身を潜めていたでしょうか。でも、お化けの仕業ではないので、大したことはありません。それ以来、きーちゅけには、正面から触れるようにしていますから、もうお化けの出る心配はないので、大したことではありません
きーちゅけにはボディタッチで答えます
きーちゅけが鳴いたら、必ずカラダを触ったり、抱き上げたりして、ちゃんと聞こえてますよと、動作で伝えます
きーちゅけは最初の半年間、目覚めるときにパニックを起こしました。自然と目覚めたときはいいのですけど、ふいに震動で起こされると、ウギャーと爆鳴きして、寝ている場所から飛び降りてしまうのです。音では起きないのですけど、震動には敏感です
瞼を閉じた真っ暗な世界に、音もない世界に、突然、目覚める。今、自分がどこにいるのかを思い出す前に起こされると、自分の居場所がわからなくて、怖くなるのでしょうね。実際に、いく日間かは知らない外の世界をさまよっていたのですから、なおさらです。でも、半年でおさまりましたから、大したことはありません。キャットタワーからも飛び降りましたけど、大したことではありません。カラダが大きいので
美しい瞳のその奥には
毛むくじゃらの世界も怖い
耳が聞こえないことで、きーちゅけはいろいろなことを引き起こしてくれます。でも、私を煩わせるのは、きーちゅけの行動ではなく、毛です。猫は角っこが大好き。部屋中の角という角に、カラダをスリスリして歩くものだから、部屋中の角という角に、白くて長い毛がもわぁっとはえてしまうのです
長毛種の猫が一匹いるだけで、部屋中が毛むくじゃらになります。どんなにお掃除しても無力です。だって、掃除機はきーちゅけの猫じゃらしなんですから、効き目は大したことはありません。
耳が聞こえなくても、KY猫でも、毛むくじゃらの部屋でも、みんななんとかうまくやってるじゃない。私の悩みなんて大したことではありません。確かにね。でもね、やっぱり、あの細くて長い白い抜け毛に、大した効果のある道具は欲しいわ
オシィ、しーちゅけがいれば、全員集合だったのに
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