にゃんころころ猫だまり

【猫だまりの猫たちと幸せに出逢った子猫たちのアルバム】このたび、ねこ森町8丁目猫だまり島に、 ホテル ガレとニャアハウス おうちをオープンいたしました。ねこ森町にお出かけの際は、ぜひ、お寄りください。【お知らせ】毎月22日には猫だまり島でマルシェを開催!

【ねこ森町】モノリスの河原[前編]

まえがき

ニャロウィンの夜にアップしようと、書き始めたのですけれど、いつも通り、間に合いませんでした(* ̄m ̄)ノ彡バンバン おまけに遅れついでに、あれもこれも加工したくなる気持ちと、それに反比例するぐーたら人間がおりまして気づくと、ニャロウィンの余韻も冷めやった今、ずいぶんトンチンカンな更新をいたしますうえに、お話も長くなってしまいましたので[前編][後編]と別れてしまいますけれど、どうかやさぐれず、お目汚しではございますが、ご覧くださりましたら、幸いでございます <(_ _)>

 

 

ねこ森ニャロウィン

ねこ森町にニャロウィンがやってきました。宇宙井戸には十三夜の月が満ち、Oさま城もカラフルなネオンと、プロジェクションマッピングでホーンテッドキャッスルに仮装し、ニャロウィン飾りでめかしこんだ町を、頭や首にかぼちゃを一つ飾り、下僕の心づくしの仮装をした町猫たちがカラフルに闊歩いたします

大きなかぼちゃツリーが飾られた正門前は、スタンプラリーの受付やら、ダイちゃんツアーの参加猫が井戸端会議に花を咲かせるやら、キグルミモデルだから、ぬいぐるみの気持ちがよくわかるでしょ的に世話係に抜擢された(ぽ)の前にはぬいぐみが渋滞するやら、とんでもなく過密となっておりますけれど、ダイちゃんは、にゃこさんとトトさんと一緒に #とろねこ 休憩中で、待ちくたびれたチビ猫ふたりが、おしゃれなお魚のケリぐるみをおんぶして、あちこちに走り回り、中猫たちが手を焼いておりましても、まだまだ出発する気配はなさそうです。まっ、適当がお約束なので仕方ございませんわね

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もう一つのお約束

ねこ森ニャロウィンには、映画界や漫画の国などからもたくさんのセレブがお越しになり、フロートに乗って、町中をパレードいたします。往年のスター、長靴を履いた猫をはじめ、ニャンコ先生、ニャロメやしっぽななど赤塚ファミリーの猫たちも勢ぞろいですけれど、パレードでの一番人気は、にゃんと、NNNでございます。今年の出し物は「異世界編」と題し、勇者や賢者や、白やら黒やらの魔導士やらが手をふっております。たくさんの拍手で迎えられるものの、中には

「こんなときこその擬人化じゃねぇの」
「なんのためにいつも擬人化してんだよ」
などと、擬人化志望の若猫からはブーイングも上がっておりますので、ここはひとつ、暗殺課のエースOの出番でございます

「フッ⚡ この仮装の秘密に気づかないやつにNNNの門をくぐる資格はなぁい🔥」

「何かっこつけてんだ、バカ殿」
「仮装といったらバカ殿だろ」
「バカ殿やれよー」

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「スタンプニャリーの魔法使いだよ」と、チビ猫たちが首から下げたカードを見せます

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Oの迫力に、お魚をおんぶしたチビ猫だけではなく、すべての子猫たちの涙袋が今にも破裂しそうでございますが、さて、どうするO! 暗殺課のエース!

タラララララーン♪ タラララララーンラララーン♪ 困っときのアメちゃんマジックでございます。Oは華麗な肉球さばきで、毛皮の中からアメ玉をポンポン取り出すものですから、チビ猫も子猫たちも涙袋のヒモをちゃんと結んで、大喜びでアメ玉を追っかけます。今年も無事に、楽しいニャロウィンが戻ってまいりました

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モノリス憑き

ニャロウィンでにぎわう町に背を向け、トレンチコートの襟を立てたかのように肩をすぼめたかま猫がひとり、仮装客で満員の化け猫トロリーバスに乗り込み、場違いなため息をひとつ、こぼしました

モノリス憑きか・・・」

毎日毎日、モノリスの河原を見つめるかま猫を、町の猫たちはモノリスに憑かれてしまったと心配し、その気づかいを陰口と感じとったかま猫は、竈で眠る煤だらけの薄汚れたかま猫。ちきう玉では竈門炭治郎が人気でも、猫の事務所のかま猫は嫌われ猫。ときどき、過去が首を縛り、呼吸もできなくなるほど苦しくなるのですけれど、それでも足はモノリスの河原へと向ってしまいます

すべてのはじまりはあの夜の嵐でした

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星眠る夜

ぽつん湖の下、ねこ森町7丁目には、黒曜石のような一枚岩がニョキニョキ生えたモノリスの河原があって、つるつるしたエッジに、ピカリ、ピカリとお星さまの雫をすべらせて遊んでおりましたけれど、ポツ、ポツ、ポツと、お星さまは瞬きをよして、ひぃふぅみぃと、深い夜の中に沈んでまいります。まだ、夜明けにはずいぶん早いのに、いったい、どうしたのでしょうか

猫だまり島に8猫が越してきて以来、ねこ森町の町猫は夜会を楽しむ習慣を持ったというのに、どの家もみな、とても厳しい音が聞こえてきそうなほど、しっかり扉を閉じて、窓という窓は分厚い鎧戸で塞ぎ、町は錠前をかけて、早寝をしております。秋の夜長にこの静けさです

おまけに、ホテル ガレ、ニャアハウス おうちまで、息をひそめるかのように、早仕舞いをしております。いったい、ねこ森町に何が起こったのでしょうか。いや、もしかしたら、これから、何かが起こるのでしょうか

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モノリスの河原

ねこ森町7丁目は昔々、海でしたけれど、謎の地殻変動によって、ニョキニョキした海底が隆起して、モノリスの河原となり、引き裂かれた西の海は、宝石のうたかたを吐き出しながら、悲しみの大波を星空に落とし、もう一方は、モノリスの河原とぽつん湖に挟まれた狭小川となり、ぽつん湖から流れ出る十月魚の川に怒りの涙を捨てておりました

狭小川は四月魚の川と呼ばれ、さらさら流れるかわいい小川に見えるのですが、川に手を出す猫あらば、鉄砲水を打ちまくる暴れ川でしたから、飛び越えることも、橋を架かけることもできずにおりました

おかげで、猫類未踏の地となったモノリスの河原は、見た目の不気味さに加え、地殻変動で生じた磁場に狂いによって、時計がぐらんぐらんと歪んでしまうことから【時をかける猫女】説やら、年がら年中まっ暗闇なマックローブの林は【#おむすびころりん地下帝国】説やら、虹のたもとは【猫又の生息地】説、はては「いたずら子猫はいねぇか、キャッツアイをくりぬいて、西の海へ流し、ちきう玉で売ちまうぞ」という【なまはげ】説まである始末で、さまざまな説拡散に嫌気がさした町猫たちは、モノリスの河原をスルーしながら暮らしておりました

今夜の静けさも、スルースキルに起因するものなのでしょうか

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キンピカの魚

 ボコッ、ボコボコ

滝つぼ雲をつんざき、十月魚の川の流れに逆らって、巨大な丸い塊が、たっぷりのあんをまとった関西風天津飯のように滝を登ってまいります。あれは海亀でしょうか。いえ、それには大きすぎます。では、ガメラでしょうか。いえ、それには小さすぎます。ほな、やっぱり関西風天津飯やないかーいヾ(・・;)ォィォィ 

つまらぬ笑いで遊んでいる間に、謎の塊はグワァーと、大きく尾ビレを跳ね上げて、ぽつん湖の上空へ飛び出しました。あれはなんだ!?

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丸まると肥えた大きな金ぴかの魚は、ぽつん湖の上空で、グギャーンと魚体を大きくのけぞらせたかと思うと、バチャーンと大スプラッシュで、ぽつん湖に飛び込みました。嵐を呼ぶキンピカ魚、こいつが十月魚です

キンピカ魚はぽつん湖をのたうち回り、大きな尾ひれで湖水をかいて、ビシャーン、バシャーンとねこ森町中に暴風雨を巻き起こします。猫だまり島の二つの建物どころか、Oさま城まで、びしょぬれになるほどの威力でございましたから、さぞかし、ねこ森町のみなさんは恐怖におののいておられるでしょうと心配いたしましたのに、グースーニャー、厳重な戸締りの下、深い眠りの底に安住しておりました

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キンピカ魚は存分に暴れまわると、キンピカの鱗をすべて脱ぎ捨て、宇宙井戸が白みはじめる前に、流れる星のように絢爛で、絹糸のように繊細な毛皮をたなびかせたキンピカの龍となって天空に上っていきました 

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キンピカの朝

キンピカ魚の嵐によって、一年の汚れが洗い流されたねこ森町は、キンキンピカピカと深い秋色に染まり、秋の終わりが告げられました。終わりゆく秋を逃すまいと、町猫のみなさんは、早起きをして、腕まくりをして、続々と猫だまり島に集結いたします

ぽつん湖が大きなキンピカ鱗で埋もれております。キンピカ魚の鱗は秋鱗と呼ばれ、一週間かけてとろとろに煮込んで、猫舌に冷ませば、ほっぺが落ちるフォンデュになりますので、キンピカ嵐の後は、秋鱗の大豊漁祭となります

大きな秋鱗を干せば、貝板のように軽く仕舞い勝手のいい保存食となりますけれど、湖につかった状態ではずっしりと重く、猫一匹では到底引き上げられませんので、ロープをかけて、数猫がかりで引き揚げねばなりませんから、猫だまり島は英気満々のチームだらけで、さながら秋の綱引き大会です

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景気づけの歌声に合わせて、たくさんの子猫さんが応援します。その中でも一番元気なのは、お魚をおんぶしたチビ猫ふたりで、しっぽを回して、お尻を振って、おかしなステップを踏んで、大応援するものですから、ロープを引く手から力も抜け、笑い袋のロープもするする緩んで、大きな笑いが沸き起こりました

「汗をかかれましたでしょう。一服いたしましょう」

ホテル ガレのtote、ニャアハウスおうちの(き)と(ぽ)が、キャットニップのアイスティーを運んでまいりました

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かま猫事務所

抜き足、差し足、忍び足。かま猫事務所のかま猫調査員は、干し鱗を踏まないように、几帳面に隙間を歩きながら、秋鱗を勘定して回ります。かま猫は以前に勤めていた猫の事務所でひどいパワハラを受けて退職し、傷心旅行で流れ着いたねこ森町に、事務所を開いた苦労猫で、とても優しく、とても悲しい猫でしたけれど、町猫のみなさんからは頼りにされ、子猫たちも大変なついておりました。今も、かま猫さんの歩き方を真似たチビ猫たちを先頭にゾロゾロ後ろをついてまいります

秋鱗はとった分だけもらえるのではなく、町猫に一律給付されます。Oさま献上分100枚、残りを均等に分配するのですけれど、かま猫調査員の査定によりますと、今年の給付鱗はひと猫につき10枚となり、余りの端数99枚は水車小屋で粉にされたのち、ねこ神社へ奉納される習わしになっております

2丁目のチャトラ山の麓にあるねこ神社は、羽巣手戸さまが祀られているだけの無猫神社にもかかわらず、なぜか秋鱗粉を奉納することになっておりまして、おまけに奉納秋鱗粉は10月の末にはすっからかんになってしまうという珍事が起こっているのですけれど、町猫のみなさんは「外国の神さんはおおぐらいだニャーハッハー」と、のんきなスルースキルを発揮しておりまして、生真面目なかま猫調査員がひとり、もしかしたら、超常現象的な何かであったり、反社会的な何かが絡んでいるかもしれないと気をもんでおりました

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ねこ神社の謎

かま猫は真面目です。秋鱗99枚、約10猫が1年食べていける量を、外国の猫神様とはいえ1か月足らずで食べつくすとはほぼ考えられませんから、自ずと窃盗団説が浮かんでくるのですけれど、ねこ森町にそのようなド猫がいるわけはなく、消えるには消えるカラクリがあるはずだと睨んだかま猫調査員は、頼まれもしないのに、こっそり、監査に入っておりました

事務所の勤務時間内は2時間おきに、お参りのふりをして、神社へ向かうのですけれど、窃盗を防ぐことも、カラクリを暴くことができないまま、秋鱗粉だけがせっせ、せっせとなくなっていきます・・・/ᐠ_ ꞈ _ᐟ\ 来る時間がばれているでち

しかし、かま猫は真面目ですから、コツコツ調査を行う中で見つけた多くの古文書や資料を読みふけるうちに、くっそ真面目な心は秋鱗粉のカラクリではなく西の海へ、調査対象を移しておりました

モノリスの河原へ渡らないと見られないという、目を開けていられないほど美しいという、西の海をこの目で見たい。古文書に記された西の海に憧れ、モノリスの河原に憑かれたように、出勤前、お昼休み、仕事終わりに、ひとり、バスにゆられ、四月魚の川のへりまで足を運ぶようになっておりました

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四月魚の川

ある日、仕事終わりに7丁目バス停に降りますと、そこにはとんでもない光景がございました

チビ猫がふたり、背中のお魚を暴れ川にかざして、はぜる魚ように行ったりきたり、走っております。いつもなら、鉄砲水を打ちまくる四月魚の川も、お魚を追いかけて、右へ左へパシャパシャと、子猫たちと楽しくじゃれあっているではありませんか

あの手のつけられない暴れ川と子猫、いったい、どうなっているのやら。真面目なかま猫は考えれば考えるほど、ちんぷんかんぷんになって、途方に暮れて、頭を抱えて座り込んでおりますと

ちょん🐾  ちょん🐾

両ひざにほんのりとした暖かさを感じて、抱えた手を下げないように気をつけながら、そっと目を開けると、まねっこチビ猫がふたり、頭を抱えて、かま猫の顔を覗き込んでおりました

チビ猫の柔らかな頭と自由な心が語るには、四月魚の川は、赤ちゃん魚のゆりかごで、赤ちゃんを守っているだけなのに、町猫たちから暴れ川とスルーされ、そこまでして守った赤ちゃん魚も大きくなると、いつもいつもぽつん湖に去ってしまう。母なる西の海とも離され、ひとりぼっちで流れすぎて、いつの間にかやさぐれて正真正銘の暴れ川になってしまったけれど、投げ入れられた瓶を拾ってあげたことでお友達になったので、チビ猫たちにはイジワルはしないとのこと

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かま猫は、四月魚の川の悲しみを踏みつけて、ずるい企みに酔っていることにも気づかず、モノリスの河原へ渡れる喜びから、背中を土手に擦り付け、ゴロゴロとのどを鳴らし、小さなまねっこ猫さんがすぐにでも隣に飛んできて、一緒にゴロゴロしてくれるものと期待しておりましたのに、ふたりはただ静かに、ただまっすぐ、モノリスの河原を見つめております

「(り)さんだよ・・・」
「viさんもいるよ・・・」
「けど・・・」とふたりはかま猫を見つめながら、声をそろえて
「あのへんな黒猫はお化け?」

かま猫の脊椎の毛がよだちます。なぜなら、大人のかま猫には何も見えなくて、黒い影すらそよともせず、どんなに瞳孔を細めても、時が止まったような黒い河原しかありません。これがここ最近、拡散されている【黒い】説なのか・・・。4つの純な眼が映し出した黒い説に、かま猫の黒い企みが打ち砕かれ、「フフフ」「フフフ」と楽し気に手をふるチビ猫に、かま猫の毛は波打ちます

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 後編に続く・・・/ᐠ_ ꞈ _ᐟ\ 土か日か月か、そのくらいにはナントカと申してるでち

 

 

                                       

ぽぽんた (id:mgpoponta)さん、今回はNNN丸ごとお借りいたしました。勝手にありがとうございましたと申します

かま猫は「猫の事務所」をパクったのではなく、宮沢賢治へのオマージュです

写真とイラストはイラストAC写真ACからご提供いただきました

 

 

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