11月に入ると
ガレ部屋は防寒のため、ガレージのシャッターも窓もすべて閉めます。ビニールハウスに使うビニールを、ガレ部屋全体にかけてあるのですけど、これは単なる風よけにすぎず、本格的な冬を過ごすには無力で、どうしても世間と隔絶した生活を送らなければならなくなります
たっぷり日差しのある午前中のみ、ガレ部屋に面した窓を開けるくらいで、その窓から見えるのは、お隣のお庭。猫だまりの人々はシャッター側に暮らしておりますので、ワタクシ以外の人を見ることは、とんと少なくなります。12月にもなれば、その窓も閉じたっきりとなり、一日中、湯たんぽの上で丸まって眠る生活がはじまります。この状態を、猫だまりでは冬眠(仮)と呼びます
冬眠(仮)中もごはんはちゃんと食べます
秋が深まるころ
ぽちゅこはさまよいながら、猫だまりにたどり着き、そのままガレ部屋の住猫になりましたので、ぽちゅこの猫だまり暮らしは冬眠(仮)からはじまったようなものです。だから、あまり人に慣れないのは仕方がないと甘やかしておりました
かわいいシャムの子猫がやってきたわけです。普段はたくさんいる大人猫たちをいちいち気にしない猫だまりの人々だって、見たいの。とっても愛くるしいポーズで眠ったり、じゃれたり、遊んだりしている姿を見たいのです。しかし、ぽちゅこは、ガレ部屋を覗かれるたびに、キャットタワーの隅に隠れておりました
小の字でお昼寝中
シャム猫飼いといたしましては
ぽちゅこでシャム猫3匹目、シャムmixを加えると5匹目になります。その経験から考察するに、シャム猫は気位が高く、わがままで淋しがり屋で、もちろん甘えた、好奇心旺盛で活発で、とても頭のいい姫中の姫猫ですから、警戒心も強く人見知りという、どこにでも書いてある通り(*゚∀゚)アヒャ
中学の頃に初めて飼ったシャム猫は、お客様に毛を逆立てて威嚇し、時には犬のように吠えついていくという凄まじさで、猫だまりの先代猫ポーも外を自由に行き来していたけれど、やっぱり人見知りでした
シャム猫とはそういう猫。そのうえ、ガレ部屋暮しで冬眠(仮)中のシャム猫ともなれば、多少の人見知りも大目に見なくちゃと思っておりました
プロバンス、いや、ラベンダーだからフラノ風!?
ところが
超ド級の人見知りだったのです、ぽちゅこは。ガレ部屋の増築が完了し、避暑部屋をお披露目したときでした。to*vi*はそれはそれは、もうもう、背中を丸めて横跳びをしながら、ゴロゴロ、大きく喉を鳴らし、じゃれて、でんぐり返って、小躍りして、広くなった住処に歓喜しておりました
その喜びに満ちあふれた姿は、やっぱり狭かったのね。それなら、もっと早くに言ってくれれば、もっと早くに増築したのに……と、ずぼらなワタクシを深く後悔させましたけれど、それ以上にワタクシを困惑させたのが、ぽちゅこの態度でした
広いと色々なものが見えるので怖い……
二日間、出てこなーい
ぽちゅこは、一歩たりとも、避暑部屋に足を踏み入れることはありませんでした。良かれと思って、喜んでくれると思って、増築したのに、このまま出てこなければどうしましょう。あのふたりの喜びようをみて、今更、減築するわけにもいきません。目の前が真っ暗になりました
さすがに三日目にもなると、おどおどしながらも、避暑部屋のコンクリートを踏んでくださいましたよ。けれどもです。隅っこに固まって、ひとたびガレージの前を人が通れば、血相を変えて、奥の部屋の奥の一番奥へ逃げ込み、隅っこで、座布団を頭からかぶって、おびえる始末 ガク ((((;゚ェ゚;))) ブル
人が通らなければ快適です
人が通るって、ほぼ家人ですよ
季節は6月、ムシムシです。そんな時期に座布団の下へ。しかも、一時の避難ではありません。人がいなくなっても、恐怖は消えず、そのまま潜り続けます。ワタクシが様子を見に行って、やっとこさ、座布団の下から引っ張り出す。それまで30分間も潜んでいることもありました
座布団をガーゼの肌掛けに変えても、引っ張り出すとホッカホカ。中に隠れられるようにテントを置いてみると、その下に潜ってさらに蒸してる。ワタクシが引っ張り出さないと熱中症で大変なことになります。でも、いつ、家人が通るかなんて監視してたら、ワタクシも熱中症で倒れてしまいます
猫だまり歴8か月、ちょっと大人っぽくなりました
人見知りにもほどがある
いつかは慣れてくれる。そう望みをつなぎましたけれど、1か月たっても変わらない状況に、打つ手は一つ。「家猫にするべし!」でございます
ウソ━━━Σ(゚Д゚。)ノノ━━━ン!!!?
今更、お引越しをさせるくらいなら、最初から家に入れていればよかったとつくづく。一度、お引越しにチャレンジしたこともあったのですけれど、家には大人猫が4匹もいますから、ぽちゅこが凄まじく動揺いたしまして、5分で諦めました。愛情豊かで穏やかなto*vi*のもとへ戻した過去がございます
ハラホレ━━ヽ(  ̄д ̄;)ノ━━ ヒレハレ
しかし、今度はどんなことがあっても、お引越しを成功させなくてはなりません。そのために何をするべきでしょう。答えは一つ。どちらさまも諦めてくれるまで、ただひたすら、ワタクシが耐えるのみです。決して、お手上げになってはいけません。覚悟を決めよ
ひとりになれる場所を探してしまいます
耐えましたとも
2日間のハンストにも、毎夜の哀れな泣き声にも、りちゅことの威嚇合戦にも、ベッドの下への引きこもりにも、きーちゅけとの小競り合いにも、必死で捜索する行方不明にも、ぽちゅこの泣き声を耳にしてオロオロするto*vi*にも、ひるむことなく耐え続けましたよ、2週間
右目を失明し、気難しいりちゅこも、耳が聞こえず、KYやむを得ないきーちゅけも、子猫にもなめられる超気弱なしーちゅけも、そして、当事者のぽちゅこも、みなさま、お引越しに抵抗することを諦めてくださいました。ぼーちゅけは誰でもWellcome。イクメンですから
ぼーちゅけの親分は昔気質の猫です
あれから3年
ぽちゅこも、すっかり家猫として暮らしてくれています。暖かくなると、窓辺で外を眺めながら過ごす時間も増えてきます。ガレ部屋にいたころのように、家人の往来に恐怖することはもうありません
さすがに、宅配や来客があると、窓辺から血相を変えて、戻ってまいりますが、潜るほどではありません。人見知りは治らないでしょうね。生まれつきの性格のようです。でも、ガレ部屋で身に着けた潜り癖は、冬場はぬくぬくと毛布に潜って眠るという特技として生かされています
ジェダイみたいにフォースが使えればにゃあ
視線の先に
ガレ部屋があり、to*vi*がいるのですけれど、庭の松が邪魔をして、どちらからも姿を見ることはできません。たまに、声は届いてくるのですけれど、to*vi*のことも忘れ、to*vi*も忘れてしまっているようです
そして、一匹抜けたガレ部屋は、昔のようにふたりっきりで水入らずとはならず、てーちゅけが加入し、新たなガレ部屋生活がはじまりました。その後のことはご存知の通り、ジャリッパゲたり、カップ麺をかぶってみたりと、日々、ガレ猫ならではの愉しみをプレゼントしてくれます
ときどき、心の奥底で、何かが動き出します
すべては
ワタクシの身勝手で、ぽちゅこはガレ部屋に住まわされ、都合が悪くなると家に移され、愛情あふれる仲間をとりあげられてしまいました。とてもつらかったろう。とても怖かったろう。もしかせずとも、ぽちゅこにとっては、二度捨てられたような大きな災難だったにちがいありません
ぽちゅこは小顔なので、いつまでもおチビさんのように扱ってしまいますけれど、体重は5kgを超えまして、デカもふのきーちゅけとさほど変わらなくなりました。もふもふだらりとしているきーちゅけより、ギュッと身のしまったぽちゅこの方が抱き上げたときに、ずしりと重みを感じるほど
引っ越しという大変な困難を乗り越えて、大きく育ってくれて、ありがとう (T_T)
これが災い転じて福となすかしらなんて、そうは問屋が卸してくれません。この後もまだまだ、ぽちゅこは災難に見舞われてしまうのでした (*´ェ`)ノ ヨロシクネ~♪
実際は、この写真ほど、胴は長くはありませんから (*`エ´*)プンプン
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