にゃんころころ猫だまり

【猫だまりの猫たちと幸せに出逢った子猫たちのアルバム】このたび、ねこ森町8丁目猫だまり島に、 ホテル ガレとニャアハウス おうちをオープンいたしました。ねこ森町にお出かけの際は、ぜひ、お寄りください。【お知らせ】毎月22日には猫だまり島でマルシェを開催!

そもそも、きーちゅけは捨てられたのか

きーちゅけは、何猫なのでしょう

「ターキッシュアンゴラ」という猫に、とってもよく似ていると言われます。ターキッシュアンゴラは、白一色の毛皮に、オッドアイが正統とされているトルコの猫で、生きる宝石と呼ばれ、幸せを運ぶ猫として愛されているそう。その昔、マリー・アントワネットの愛猫だったそう

 日本ではブリーダーも少なくて、ペットショップでもあまり取り扱っておらず、希少なため参考価格は30万円ですって

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ターキッシュアンゴラと似てるちゃあ、似てるかも

 

そんな猫がね

地方のどうってことのない町のさびれた公園の植え込みの下にいるわけがないと思うの。しかも、雨の日にね
nyan-chuke.hatenablog.com

  

たまたまよ、たまたま

想像するに、顔は洋猫というよりは和猫ぽいので、日本猫✖長毛種のミックスで、どちらかがW遺伝子の白猫。たまたまターキッシュアンゴラに似てしまっただけでしょう。たまたまよ、たまたま。30万円もする高級猫を、捨てちゃうものでしょうか。いやぁ、捨てますまい

 

耳が聞こえないから

そんな猫はいらないと思ったのかもしれません。もしくは、耳が聞こえないとは気づかず、うるさい、自分勝手、本気で噛みやがる。もう、手に負えなくなって、きーちゅけから解放されたいと思ったのかもしれない。どちらにしても、捨てられたんだって、そう思っていました

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猫だまりにたどり着いたころ

 

ところがどっこい

脱走癖があったのです。きーちゅけは過去に二度、屋外に脱走しました。猫だまりは外出厳禁です。一切、外には出さないどころか、隣り合った二部屋しか自由に往来はできません。5匹もいるものですから、自由にさせたら、生存確認が大変です

押入れやらタンスの上やら、自分だけの隠れ家で丸まったら、名前を呼ぼうが叫ぼうが、耳が聞こえていようがいまいが、気が向くまで出てきてはくれません。しかも、いつもの定位置からずれて、カーテンにくるまって寝ていた日には、猫集めだけでへとへとになります

 

とにかく外に出たい

夜中に、扉のノブをガチャガチャ回します。もちろん、開けられませんけどね。二つの部屋の扉をくっつけている柵を踏板に、1、2の3で、扉のてっぺんに手をかけて、向こう側へ飛び出します。でかいと行動もダイナミックなので、さっさとフタを付けました。頭で扉を押します。締まりが緩くって、少し開いたら、外に出るために体制を整えようと、頭を引っ込めるので、残念ながら扉は閉まってしまいます

この失敗を3年間くりかえし、昨年の秋に、いったん頭を引っ込めるのではなく、そのまま押し出せば脱走できることを悟りました。扉はカチッと音がするまで閉めることをモットーにしております

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改めて写真を見ると、小さい頃はさほど毛が長くなかったのね

 

それでも、油断と隙をついて

屋外に脱走しました。1度目は、脱走した瞬間に気づくことができましたけれど、2度目は、犬のお散歩から帰ってきたら、きーちゅけが塀の上におりました。塀の上に見つけたときは、もう、声も出ませんでした。とにかく捕獲。無言できーちゅけを抱きしめ、一目散に部屋にこもりました

耳が聞こえないのに、外になんか出たら、あっという間に、車にひかれてしまうじゃない。どれくらい前から外にいたのでしょう。ああ、遠くに行かなくてよかったと、つくづく

 

家猫は外が怖い

以前は自由に外の世界を歩いていたぼーちゅけも、to*vi*te*のガレ3も、今は完全なる家猫。外へ出ることに怖さを感じるようになっています。なのに、きーちゅけにはその怖さがありません

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すっかりモコモコ

 

五つの恐怖心

見る、聞く、嗅ぐ、味わう、触れる。人は五感で恐怖を感じます。それは猫も同じです。もちろん、犬も。怖い人が近づいてくるから身を隠せ! パーンと大きな破裂音がしたから逃げろ!! くさっ Σ(゚Д゚;) まずっ Σ(-∀-;)  背中に冷たいものがぁ Σ(O_O;)!!

割合にして、どのくらいでしょう。ワタクシなら、視覚40%・聴覚35%・嗅覚10%・味覚5%・触覚10%になるでしょうか。怖い音を聞くより、怖いものを見る確率のほうが高いかしらと思います

このワタクシの比率を例に、きーちゅけの恐怖心をご説明しますと、きーちゅけは恐怖心がほかの猫よりも35%ほど欠如し、65%しか怖さを感じない図太い猫ということになります

 

4つの器官で4つの恐怖しか感じない

その欠けた一つの器官がもたらす恐怖は、視覚よりも頻度は低いですけれど、視覚の恐怖よりも断然大きいと思われます。雷は落ちないとわかっているのに、耳をふさいで悲鳴を上げなきゃ気がすみませんし、散歩中に、破裂音が鳴ったなら、うちの犬は必死で遁走しようとし、ワタクシは止めようと必死でリードにぶら下がらなければなりません。きーちゅけは、その大恐怖を感じないのですから、さあ、大変 

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この頃になると、ベッドもくたびれたわね

 

煩音の下界

家猫が外を怖がるのも、やはり音じゃないかと思います。自分の視野を超えて、遠くから、上から下から、右から左から、主の知れぬ煩雑な音が届くのです

家猫には、そんなやかましい社会へ踏み出す勇気などありません。でも、きーちゅけは無音の世界の住猫ですから、どこへ行っても、どこまで行っても無音。外も内も変わらぬ世界ですから、踏み出す勇気なんぞ、必要があるものですか。前進あるのみです

 

もしかしたら、もしかするかも

きーちゅけは、窓の隙間からひょいと外に出て、さぁ、大冒険。楽しみすぎて、帰り道を忘れて、公園に佇んでいた迷い猫かもしれません。あの日、シャンプーして、きれいになったきーちゅけを見て、そのような疑いを持たなかったわけでもありません

「迷い猫を保護しています」とチラシを作ろうかとも思いましたけれど、名乗り出てくださった飼い主さまが、本物かどうか、見分ける術もないのでやめました。きーちゅけは初めて猫だまりに来たときから、ずっとここで暮らしているような我が物顔で、人見知りをしないオープンマインドな猫でしたから、きーちゅけの態度で見定めるのは難しい

公園近くで、白い子猫を飼っている家を知らないかと聞き込みもしましたけれど、ヒットはしませんでした。子猫ですから、遠くからはるばるやってきたとは思えないのですけれど、結局、「猫を探しています」とのチラシも見ることなく、今に至ります 

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しーちゅけと微睡むまる背中

 

いまさら、過去を

詮索しても致し方ございません。猫だまりで、楽しく暮らしているのですから、ワタクシにとっても、初めての長毛種を体験できているわけですから、それはそれで幸せなことでございます

でも、きーちゅけを探している人がいるのではないかしら。今も誰かが、きーちゅけのことを心配しているのではないかしら。帰りを待ってる人がいるのではないかしら、と思ったりもします

だから、猫だまりから脱走をして、迷い猫になってしまうと、次に保護してくださった方が、同じ感慨を持たれるかもしれませんので、厳重に戸締りをしなくてはいけないと日々、気を引き締めております。部屋への出入りは、とてつもなく面倒になってますけれど

それとね、不思議なことなのですけど、たまに、ヘレン・ケラーを思うのです。彼女が幼い時、野生児のようだったのは、学びや躾ができなかったのではなく、三つも恐怖心がなかったためじゃないかって。きーちゅけと比べるのは申し訳ないのですけれど、たまにヘレン・ケラーを思っています。もう一度、自伝でも読んでみましょうか 

 

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